あぁ さらさら流れているじゃないか頬を伝い
私へと
透明なティーカップに愛情と口紅だけ残して
サヨナラと一言
私は想いだす
水面を優しく撫でるように流れていく桜の花びらのような感覚
幸せだと思っていた あの記憶も流れて行(ゆ)けば良いのに
四捨五入では割り切れない 抱えきれない切なさの花束
やるせなさの右手に刃を 左手に婚姻届けを
心地よい記憶だけハサミで なぞれたら
アイツは桃源郷なのだ
まさに夢を覚えている夢
寝ているようで覚めているような解放感
恋した味 失くした味 やはりどちらも蜜
曖昧な恋は電子レンジで温めるような価値しかない
キミと私との間はそのあたりなのか
落ち葉の季節の淋しさは いつか見た桃色道へと続く
いつかはきっと、
いつでもずっと、
もう始まるまで
御機嫌よう