友の死

 

友が死んだ

 

爪の先まで神経が昂ぶり通うような悲しみ

私の中に じわっとスポンジのような痛みが染み込む

 

彼と居た時間に酔いそうな感覚だ

 

いつだって風を切ってココロ弾んでたありふれた会話

彼を思い出すと

まるで太陽に凍える我が体内の虚しさも無く

 

 

夏のジェット気流の彼方に消えた彼は

掴んで掴み切れない記憶の珠玉の柔らかな形

 

朝ツユに私の涙を重ねて 遥かな想いを

どうぞ私の記憶の中でゆっくりと答えを出してほしい

彼の人生の彼にしか分からない彼の問題を

 

浅き夢見し道化師の不可思議のような人生

 

 

寂しさの鍵穴を埋めるように

この優しい柔らかな 夢の繭で永遠に

また 来世で逢おう

 

 

 

それまでは

 

 

ゆっくりと。おやすみ。

 

 

 

文豪は古書の宴に参られる

 

古書の香りは どんな香水をも寄り付けさせぬ

甘きして故人の作品を際立たせる

 

時代なるは貧相なれど 未だ故人の文豪の輝きは色褪せることはなく

掴んで掴み切れずは  我が心の辞典

朝もやに涙する松の葉に

梅雨明けの初夏に蒸した古書の匂い

 

 

ゆっくりと甘えて答えを出して生きたい

そう願うなら古書の悠人たちは

この色は楽しいと 私の私だけの時間にする

 

眠るように絡み合う指の間から聞いた

キミと私の紙の香りに寄せるる歌の文筆

 

夜の遠吠えは

遥かなる未来(さき)への待ち遠しさ

 

また逢えるさと

過去の故人の文豪は言う

 

私も逢おう カタチは違えど

決して見えない繋がりを信じて

 

時折り吹く風に

古書の香りは 甘くて切ない足跡だけ。

 

 

ありがとう

 

古書からの薫る文豪により

私も足跡たどり  更なる時代(とき)へと

 

 

 

それまでは

 

 

 

ご機嫌よう

 

 

 

 

僕が私になれるワクチン ~神の雫より~

 

正解など無い こと恋愛において

地雷を踏むように当たり前に闇へと堕ちて行(ゆ)く

 

闇がキミを包み込む優しさと分かったなら…悟ったなら

 

温かさや喜びのある

普通じゃない恋 尋常じゃない愛で理解する

 

 

そのオブラートが溶けるような思春期さながらの想いが

弾けきれずに臨界点へ

 

優しさの分だけ傷をくれないか

痛みを伴う愛おしさを

 

 

聖なる夜には

互いに一言だけ交わしたい

果肉を食(は)む恋愛事情で

一致してたら良いな

 

 

しかしまた愛されていたいのはエゴでもある

まるで 冷蔵庫で独りぼっちの缶ビールに

 

明日を向いて明後日を迎えるヒトリノ夜

 

まどろみの中 輪廻の音をも拾い魂を抜き取られるかの美声のヘッドフォン

繭の中の鼓動 繭の中の世界  安らかな眠り

 

近くにいるようで遠くにいるキミに

花吹雪のような人生と 千年の恋を灯して

 

風に充てられたなら  彼の香りに酔うようで

まさに

成熟しないうちに腐り散る我が精神

そして、また実り咲き乱れる

 

この太陽がくれた勇気 月がくれた優しさ

向日葵が呼吸しアサガオが眠る刻(とき)

此処にだけ  私だけの世界が広がる。

 

雲を纏って風を抱いて

 

キミと闇が私になれるワクチン 神の雫より

 

 

 

 

その時までは

 

 

 

ご機嫌よう。

 

 

流れるように泣いているのは お前だろ

 

あぁ 壊れゆく 指と指との間から崩れ落ちる

 

なんと儚く なんと美しく なんと愛おしい

 

キミが言う

あぁ 貴方で良かった 貴方しかいない

貴方のキャラメルのような甘く優しい香り

共に過ごした時間

 

私は言う

キミがくれたんだ このサヨナラの香りを

名残り惜しいけど サヨナラだ

 

私たちは枯れる前に別れた

だから前へ進む事が

学ぶことが出来た

 

世の中には 会者定離の壱と伍しか無いんだ

だからこそ人は安パイな道を選ぶ

 

私は言う さらに言う

安パイな人生なんて 平凡な地獄めぐりだと

風の強い日にこそ帆を上げて

はじまりの場所に行くのさ

 

雨上がりのような虹を感じたら

その時間(とき)はキミのモノだ

 

 

何があっても 何が起きても

幸せが指と指の間から崩れ落ちても

 

それでも

 

諦めないと誓ってくれるかい……..

諦めずに探してくれるかい……….

 

キミの幸せを キミだけの幸せを………

私も誓い願うキミの幸せを

 

 

安らかに眠る中

流れる時は遮二無二な無形の七色

 

また逢えるさ

形は違えど 疑いもせずに

 

 

だから全て無かったことのように

はじまりの場所で・・・・

 

 

その時までは

 

 

 

 

御機嫌よう。

 

 

 

黄泉の国までのカウントダウン

 

朝霧を掴むような かつて愛した記憶たち

私のやわらかな感性が羽化する前に

 

トマト色の甘酸っぱい感情を添えて

 

大丈夫、キミは人生を踏み外したのではなく

キミ自身の道を歩み出したのだ

そう傍で囁いてくる思い

 

 

世相を大きくゆっくり呑み込むチカラ

そのチカラと感性で

私は

コクのある香りに魅せられ あの形へ

 

斬るようなキスを瞬く速さで体中に

そして

黄泉の国までのカウントダウンが始まる

 

 

ここから始まる

これから始める

 

さぁ セカイは私たちに委ねられたのだ

 

怖がらなくて良い

やっと手に入れた自由だ

 

 

 

さぁ 行(ゆ)こう

 

 

 

 

 

太陽の香り 雲のコク 風の旨み

 

ザクロを頬張るような甘酸っぱい想い

 

愛に刺されても私の子宮(なか)は空である

恋という名の薬を飲んで 二人のセカイへ

 

外のパリッと張った氷と 尋問を蹴り破り また

失くした時間と記憶に新しい恋に焦がれる

 

私の記憶に残る

アイツは絵に描いたような美人だ

 

いつか言ってたよね

 

まるで思春期のような淡い淡い透き通った紫の

純な炎を心に宿し

 

子供のような無邪気な言葉の凶器で

愛してると

 

太陽に透き通る葉桜を仰げば

 

あの甘酸っぱいザクロの味の記憶もまた

太陽の香り 雲のコク 風の旨みになる

 

 

私も老けたな

 

 

 

 

終わりから始まる唄

 

あぁ  さらさら流れているじゃないか頬を伝い

私へと

 

透明なティーカップに愛情と口紅だけ残して

サヨナラと一言

 

私は想いだす

 

水面を優しく撫でるように流れていく桜の花びらのような感覚

幸せだと思っていた  あの記憶も流れて行(ゆ)けば良いのに

 

四捨五入では割り切れない  抱えきれない切なさの花束

 

やるせなさの右手に刃を 左手に婚姻届けを

 

 

心地よい記憶だけハサミで  なぞれたら

アイツは桃源郷なのだ

 

まさに夢を覚えている夢

 

 

寝ているようで覚めているような解放感

恋した味  失くした味  やはりどちらも蜜

 

曖昧な恋は電子レンジで温めるような価値しかない

キミと私との間はそのあたりなのか

 

落ち葉の季節の淋しさは  いつか見た桃色道へと続く

いつかはきっと、

いつでもずっと、

 

もう始まるまで

 

 

 

 

御機嫌よう

 

 

 

 

大海も彼女の涙の一雫から

 

あなたが置いて行くから私はよそ見をする

私は言う 君がよそ見をするから置いて行く

 

互いに優しく愛しさの分だけ傷をつけた

残るのは爪痕だけと知りながらも手を取り合い

 

 

病気闇な秒刻み

あの懐かしい夏の香りに寄せて

風に乗って寄り添う あの子の鼻歌

 

私は想う

あの頃のマスクメロンで喉を詰まらせるような

そんな優しい辛さに  今はもう

 

甘美なる苦言の

 

愛してるは…

愛していたに

 

枯れ果てる……

 

残されたのは悲しみと言うちっぽけな言葉一つ

 

 

私が寝ている時も私であり

太陽が寝ている時もまた太陽である

またキミが寝ている時も……

 

 

いつかの夜の虹を2人ぼっち歩けたら……な。

 

 

 

 

またね。

 

 

際限なき時と思考の部屋

 

部屋が狭い 生活が窮屈

そういう言葉の前に思考を広げてください

アナタも持っているはず

 

 

さぁ 目を閉じて

アナタの思考の広さは限りなく昼間より夜の闇と気づけたら

恐れず受け入れて

 

 

音無き闇の空間で ゆっくり自分のセカイで呼吸を

 

暫くして自分の 自分だけの独りに逢える

慣れた感情と引き換えに

生きた感情が憎しみや苦悩を呑み込み

彩りを花咲かせ 部屋の狭さなど ちっぽけな問題と思えば

 

アナタは既に闇をも味方にした 紛れもない時そのものであると

 

 

 

ずっと前から探していた 居場所が…。ね。

私の時間も またアナタの時間

その共有できる時に

 

 

 

 

 

 

また 部屋でお逢いしましょう………。

 

 

 

 

 

 

 

八神・八竜

 

 

~雪花の頃に~

 

 

冬の透き通った空気の景色

雪原に置いてかれ

吹雪く粉雪に 花を見た

 

 

ホタルのような優しい光

銀色の流れ星と凍てつく悲しいデータの読み込み

 

 

水のように 鳥のように 自由に

透き通る色は今も昔も記憶の底

 

 

 

恋なんて ビタミン不足のハートは要らない

一つのかけがえのない想いをリピートし

テープが擦り切れるほど  頭の中で優しく殺めたい

 

 

ほんの数日、数か月の生活に

どれほどの言葉を並べれば償えるだろう

 

 

 

愛してる

そんなちっぽけな言葉しか綴れない

 

 

水を含み空へと旅立ち

雨という涙を流せたなら  どんなに楽だろう

 

 

 

いつか金色の涙さえも凪用のセカイに

私達を祝福してくれるなら

 

 

 

 

 

その時までは、

 

 

 

 

 

御機嫌よう♬

 

 

 

 

 

 

 

八神・八竜