文豪は古書の宴に参られる

 

古書の香りは どんな香水をも寄り付けさせぬ

甘きして故人の作品を際立たせる

 

時代なるは貧相なれど 未だ故人の文豪の輝きは色褪せることはなく

掴んで掴み切れずは  我が心の辞典

朝もやに涙する松の葉に

梅雨明けの初夏に蒸した古書の匂い

 

 

ゆっくりと甘えて答えを出して生きたい

そう願うなら古書の悠人たちは

この色は楽しいと 私の私だけの時間にする

 

眠るように絡み合う指の間から聞いた

キミと私の紙の香りに寄せるる歌の文筆

 

夜の遠吠えは

遥かなる未来(さき)への待ち遠しさ

 

また逢えるさと

過去の故人の文豪は言う

 

私も逢おう カタチは違えど

決して見えない繋がりを信じて

 

時折り吹く風に

古書の香りは 甘くて切ない足跡だけ。

 

 

ありがとう

 

古書からの薫る文豪により

私も足跡たどり  更なる時代(とき)へと

 

 

 

それまでは

 

 

 

ご機嫌よう

 

 

 

 

僕が私になれるワクチン ~神の雫より~

 

正解など無い こと恋愛において

地雷を踏むように当たり前に闇へと堕ちて行(ゆ)く

 

闇がキミを包み込む優しさと分かったなら…悟ったなら

 

温かさや喜びのある

普通じゃない恋 尋常じゃない愛で理解する

 

 

そのオブラートが溶けるような思春期さながらの想いが

弾けきれずに臨界点へ

 

優しさの分だけ傷をくれないか

痛みを伴う愛おしさを

 

 

聖なる夜には

互いに一言だけ交わしたい

果肉を食(は)む恋愛事情で

一致してたら良いな

 

 

しかしまた愛されていたいのはエゴでもある

まるで 冷蔵庫で独りぼっちの缶ビールに

 

明日を向いて明後日を迎えるヒトリノ夜

 

まどろみの中 輪廻の音をも拾い魂を抜き取られるかの美声のヘッドフォン

繭の中の鼓動 繭の中の世界  安らかな眠り

 

近くにいるようで遠くにいるキミに

花吹雪のような人生と 千年の恋を灯して

 

風に充てられたなら  彼の香りに酔うようで

まさに

成熟しないうちに腐り散る我が精神

そして、また実り咲き乱れる

 

この太陽がくれた勇気 月がくれた優しさ

向日葵が呼吸しアサガオが眠る刻(とき)

此処にだけ  私だけの世界が広がる。

 

雲を纏って風を抱いて

 

キミと闇が私になれるワクチン 神の雫より

 

 

 

 

その時までは

 

 

 

ご機嫌よう。