終わりから始まる唄

 

あぁ  さらさら流れているじゃないか頬を伝い

私へと

 

透明なティーカップに愛情と口紅だけ残して

サヨナラと一言

 

私は想いだす

 

水面を優しく撫でるように流れていく桜の花びらのような感覚

幸せだと思っていた  あの記憶も流れて行(ゆ)けば良いのに

 

四捨五入では割り切れない  抱えきれない切なさの花束

 

やるせなさの右手に刃を 左手に婚姻届けを

 

 

心地よい記憶だけハサミで  なぞれたら

アイツは桃源郷なのだ

 

まさに夢を覚えている夢

 

 

寝ているようで覚めているような解放感

恋した味  失くした味  やはりどちらも蜜

 

曖昧な恋は電子レンジで温めるような価値しかない

キミと私との間はそのあたりなのか

 

落ち葉の季節の淋しさは  いつか見た桃色道へと続く

いつかはきっと、

いつでもずっと、

 

もう始まるまで

 

 

 

 

御機嫌よう

 

 

 

 

大海も彼女の涙の一雫から

 

あなたが置いて行くから私はよそ見をする

私は言う 君がよそ見をするから置いて行く

 

互いに優しく愛しさの分だけ傷をつけた

残るのは爪痕だけと知りながらも手を取り合い

 

 

病気闇な秒刻み

あの懐かしい夏の香りに寄せて

風に乗って寄り添う あの子の鼻歌

 

私は想う

あの頃のマスクメロンで喉を詰まらせるような

そんな優しい辛さに  今はもう

 

甘美なる苦言の

 

愛してるは…

愛していたに

 

枯れ果てる……

 

残されたのは悲しみと言うちっぽけな言葉一つ

 

 

私が寝ている時も私であり

太陽が寝ている時もまた太陽である

またキミが寝ている時も……

 

 

いつかの夜の虹を2人ぼっち歩けたら……な。

 

 

 

 

またね。