TIME after time War (13.war)

 

神の悪戯の苦しくて切ない遊戯か

根も葉もない愛なのか?

 

戻るに戻れない 引くに引けない

そこに理由なんてあるのか 混濁する日々

 

枯れた喉に目一杯の虹の雫を

 

 

~そのとき 少年は~

 

 

ユキは、八神と過去に行った時に知った。

知ってしまった。

 

政府の特務機関により自分たちの村が実験台にされたこと。

蔵を持つ家に古書を預けて、いつかは醒めたら古書戦争が起こるように仕組まれていた。

 

古書がある蔵は自分たちの他にも まだまだあったが

古書に骨も残らずに生力を奪われて命尽きる者が大半だった。

コンノの爺さんもその一人であった。

蔵には近づくなと、コンノの爺さんが言っていたのは、コンノの身を案じての事。

 

 

 

(私が、、、、私だけが知っていて良いのだろうか?)

 

 

この数日、夢を見る。

同じ夢を

とても きれいで悲しいゆユメ。

 

 

 

(打ち明けなくて良いのだろうか?)

 

 

 

ボーーっ。

 

コンノ「キ、、、ユキ、、、ユキ!!」

「鍋が冷めるぞ!!」

 

「はぁ~、お前が何か知っているかもしれないが、

話すつもりが無いならないでいいし、

話してスッキリするなら、それも良し!!」

 

 

「オレとヴェノムは無理には聞かない。」

「だな?ヴェノム?」

 

ヴェノム「ぅ……….うん。」

 

 

コンノ「まぁ、なんにせよ、鍋は熱いうちに食え!」

 

ユキ「何、その鉄は熱いうちに打て、みたいに。」

 

 

 

ヴェノム「…彼氏とか?」

 

ユキ「ちょっとヴェノム!!」

 

コンノ「そうだぞ!

ユキにだって彼氏くらいいるよな?」

 

 

ユキ「ギクッ(コンノのバカ)」

コンノ「彼氏くらいこの世界のどこかに居るわな!」

ワッハッハッハー

 

 

ヴェノム「じゃあコンノ君は?」

コンノ「ヴェノム、よーく聞け、

俺はな、俺の彼女はな世界中に居るんだわ!」

クックックック

ワァーッハッハッハァー!

 

 

ヴェノム「じゃあコンノ君、ボクも彼女かなぁ?」

 

コンノ「んたりめぇだろ!!」

 

ヴェノム「わーい!やったー!」

 

(ばかコンノ)

 

コンノ「んじゃあ、俺から発表!!」

ユキ「な、なに!?」

 

コンノ「俺らのチーム名だー!」

 

ユキ「な、なに、今更、チーム名なんて。。。」

 

 

 

コンノ「その名も、

蒼きカリスマ団だぁーー!!」

 

ヴェノム「わーい!ナリソメ団ー!」

 

コンノ「ヴェノム、ナリソメじゃなくて、カリスマだ。」

 

 

ヴェノム「わーい!コンノ君とチーム!」

 

 

コンノ「ユキ?ユキ!?

普段からオカシイけど、もっとオカシイぞ?」

 

ボーーーッとして。

今のツッコミどころ満載だろ?

 

どした?

 

ユキ「えぐ、、、、えぐ、、、、、ふぐぅ、、、、う、、、、ぅ、、、うん。ぇぁ。ぅ、うぐぅ」

 

どした、急に?

 

 

ユキ「自分で抱えようと、、、して、、、た、、、けど、

苦しくて、、、、夢、、、みたり。」

 

 

コンノ「話してスッキリするなら話せよ。

自分だけがとか、自分だけで抱えようとするな。

夢に出てくるくらい辛いよな。」

 

 

 

 

コンノ「ごめんな、気付くのが遅くて。」

 

 

そして、ユキは泣きながら少しずつ話した。

そう、全てのことを。

 

 

 

黙っている、ヴェノム。

静かに頷く、コンノ。

 

ユキは最後に一言、

。。。。。こめん。なさい。

 

 

まぁ、分かった。

 

俺の爺さんの事、ユキの事、村の事。

次からは一人で抱え込まないこと。

 

 

……うん。

 

 

コンノ「鍋が冷めたな、肉がサブサブ(しゃぶしゃぶ)になってしまった。」

なーんっつってーー。

 

 

ぎゃっはー、

クスクス、

ばか、

 

 

 

もう一度 食う前に軽く忍びに入るか?

スッキリしたところで。

帰ったらまた鍋だ。

 

 

 

それでは、キョーーツケーーー!!

な、なに?!

蒼きカリスマ団、出陣!

 

 

大きな声を出すと気持ち良いぞ?

 

わーい!

しゅ、出陣!

 

っしゃあーー!!

 

 

 

 

今宵も何かあったようで、無かったような

記憶に残る悔恨の念を解き

 

ふわりひらり、夜空に瞬く星風のように

三匹のケモノは駆ける。

行(ゆ)くてに何が待つか まだ本人も分からず。

 

 

ただただ・・ 永遠(とわ)のキミに逢いに

 

・・・・・・・・時間という名のキミに

 

 

砂時計は流れ続けて・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(war⑬)

 

 

 

 

 

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