TIME after time War (11.war)

 

君がすて去ろうとも

沙羅双樹のメロディーは

盛者必衰の理をあらはす

 

風に憧れるも、ただ春の夜の夢の如し

たけき者の碧き涙も ひとえに風の前の塵に同じ。~ 少年 ~

 

 

 

~ 物の道理が解りて、成す焦がれる想いと困惑 ~

 

 

 

ヴェノム 「ねえ、コンノ君、私が人じゃなくても好き?」

 

コンノ 「んぁ?ああ。」

 

 

 

ヴェノム 「じゃあ、コンノ君、私が男でも好き?」

 

コンノ 「んぁ?ああ。」

 

 

 

ヴェノム 「じゃあー・・・。」

 

コンノ 「んなに?どうしたの?お前?」

 

 

 

 

 

ヴェノム 「だって、コンノ君の傍に居たいんだもん・・・・。」

 

コンノ 「居るだろ?傍に。」

 

 

 

 

 

 

 

コンノ 「どーせ、八神が近くに居るから、どうのこうの、なんだろ?」

 

 

 

 

ヴェノム 「う・・・うん。。」

 

 

 

 

コンノ 「んなら、ヴェノムの気晴らしに出かけるか?」

「ユキ、一緒に来てくれ。」

「八神が近くに居るから ヴェノムが落ち着かねえんだわ。」

 

 

 

ユキ 「ヴェノム、さっきからのコンノに対しての質問。。。」

「アナタ何か知っているの?」

 

 

 

 

 

ヴェノム 「うっ・・・うぅぅぅ。。」

 

 

 

コンノ 「イイだろ、八神に聞けばさっ。」

 

 

 

ヴェノム 「コンノ君。私が人間でなくて・・・・っ」

 

 

 

コンノ 「バッカ、関係無いんだよ。」

「お前は俺を好き、俺にお前は必要。」

「こんな関係も良いだろ?」

 

 

 

 

 

ヴェノム 「うん♪」

 

 

 

 

ヴェノム 「コンノ君あそこ。」

 

 

 

 

コンノ 「そこに居たか、八神」

 

 

 

八神 「やぁ、少し早かったね♪♪」

 

 

 

 

コンノ 「聞きたいことがある」

「ヴェノムが知りたい事と、俺とユキが知りたい事もだ」

 

 

 

 

 

八神 「あっぁ~、答えられる事には応えるよ」

「少し待ってね」

 

 

 

 

コンノ 「なにぃー。」

 

 

 

 

八神 「日本語は通じるだろ?」

「少し待ってと言ったんだよ?」

 

 

 

 

 

コンノ 「舐めやがって」

「プライムで焦がしてやる」

 

 

 

 

 

ユキ 「待ってコンノ。倒してしまっては聞けるものも聞けないじゃない」

「それに何より好戦的な態度ではないじゃない。」

 

 

 

 

 

ピッ ピッ ピピッ ピピピー

 

八神 「やっ、待たせたね。では。」

 

 

 

 

 

 

コンノ 「今のは何だ?」

「文字の鳥のように見えたが?」

 

 

 

 

八神 「メールだよ?」

「フフッ、未来のね」

 

 

 

 

コンノ 「未来?」

「なに?じぁあ、お前は未来人なの?」

 

 

 

 

 

 

八神 「そこから話をしようか」

 

「私、八神は古代種と 未来種の混合・・・・とまでは自分で調べた」

 

 

 

 

 

コンノ 「うん。ん?」

 

 

ユキ 「どういうこと?」

「古代人と、未来人の血が入っている?」

「どうして?どうやって?」

 

 

 

 

 

八神 「知らないよ、どうしてそういう形になったかも。」

「ただ、わかる範囲で言うと、この日本という国の最初の独りの血」

「太古の人間の高度な文明をもって、遥か未来の人種の血を入れた」

 

 

「それが、ヴェノムさんと同じ血が私にも流れている」

 

「ある意味では、ユキさんと、ヴェノムさんの子でもある。」

 

「おっと・・・。」

 

 

 

 

ユキ 「ヴェノムは、兎に角、私の血もって。。。」

「まだ私はアナタより歳下じゃない」

 

 

 

 

 

 

八神 「そうなんだよ、そこなんだよ!」

「私は決して未来人じゃないし、未来からココに来たわけでもない。」

 

 

「じゃあ、なんなんだ、って言えば・・・・・ね?ヴェノムさん?」

 

 

 

 

 

 

 

コンノ 「ヴェノム、何か知っているのか?」

 

 

 

 

ヴェノム 「知らない、知らない、何にも知らなーーーい!!」

 

 

 

 

八神が言葉を続ける

 

八神 「自身で私の年齢を計測するに、二百と八歳。」

「そして、私の目的は、母さんを探すこと」

 

 

 

 

 

コンノ 「ん?」

 

 

八神 「母さんの最初のレプリカ」

 

 

コンノ 「ん?」

 

 

 

八神 「私は、先程の例えで言った」

「ヴェノムさんと、ユキさんの子供って言ったけど」

「100%嘘では無いんだよ」

「先ほど言ったように、混合種といったところですね。」

「人とそうでないモノの血」

「私はそのヒトでない部分を切り取って自分の事を」

 

「八竜(オロチ)と呼んでいるし、名乗ってる。」

 

 

「母さんを探しているのは、私の身体の八竜を抑えて閉じ込めるため」

「太古の昔に、この国にいた神の一つ、オロチのね。」

 

 

 

八神 「私の目的の母さんを探すのに、チカラが必要だった」

「だから、ラボに入ってチカラを付けた」

「その時の研究に使われていたのが、ヴェノム・・・さん」

「ヴェノムさんは、人の状態で研究に。」

 

 

 

 

ユキ 「もういい、ヴェノムが泣きそう」

 

 

八神 「やれやれ、泣きたいのは こちらだよ」

「自身のことも何も解らずに、この地で何をどうしてか・・・・。」

「幾つあるか解らない母さんの血を集めないと、私自身が・・・。」

 

 

 

 

ヴェノム 「・・・・「魍魎たちよ我の命に従い八神を・・」」

 

 

 

 

 

~ おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおぉぉぉぉおおおお ~

 

 

 

 

 

ヴェノム 「喰われろぉー八神!!」

 

 

 

 

 

八神 「おっとぉ・・・・悲しさで リミッターが外れたか。。」

 

 

 

 

 

コンノ 「やめろ、ヴェノム。」

「落ち着け、」

 

 

ヴェノム 「・・・・・「お前も・・・・」」

 

 

 

 

 

コンノ 「しゃーねーな」

 

 

 

んーーちゅ。

 

 

 

 

ユキ 「ちょっ、コンノ」

 

 

 

 

ヴェノム 「あ・・れ、コンノ君」

「こんなに汗かいてどうしたの?」

 

 

コンノ 「何でもねぇよ♪」

((チッ喰われかけたゼ))

((ヴェノムに潜在している能力か・・。))

 

 

 

 

 

八神 「私は、少しずつ母さんの魂(血)を集めている」

「ヴェノムさんを見ても解るかどうか、母さんの魂(血)は一つじゃないんだ」

「わ、私の中には、八竜(オロチ)の血が母さんの血が」

 

 

 

コンノ 「馬鹿か?お前?」

 

 

八神 「なにぃ?」

 

 

 

コンノ 「一番 自分を否定しているのは お前自身だろ?」

「さっきから一方的に喋ってるけど、」

「ヴェノムの動揺を見て平静を保っていただけじゃねーか」

 

 

 

八神 「クッ」

 

 

 

 

ヴェノム 「コンノ君は冷静に。。。。」

 

 

 

 

 

コンノ 「俺は、冷静な状態では誰にも負けねえ」

 

 

 

 

八神 「チッ、コンノ君、ユキさん、次は答える番だ」

「どうやって、プライム」

「どうやって、ベアーを手に入れた」

 

 

 

 

コンノと ユキ 「蔵の古書を詠んで、んで、おしまい。」

 

 

 

 

 

八神 「は?」

 

 

 

 

コンノと ユキ 「だから、家の蔵の古書を詠んで。」

 

 

 

 

八神 「そっ、それだけか?」

 

 

 

 

コンノと ユキ 「そっ」

 

 

 

八神 「それだけで、あれほどのチカラを」

 

 

 

 

 

コンノ 「それだけでも、色々と苦労があるんだぜ」

「イジメに耐えたこの体とか」

「まぁ、精神的には強かったんだろうな」

 

 

 

 

 

 

八神 「・・・だろうな?」

 

 

 

 

 

コンノ 「この人格になる前のオレ」

「ある時から記憶が無いんだよ」

 

「ユキは、どういう経緯で古書を詠んだか知らねえが」

「俺は・・・・・・。。。。」

 

 

 

ユキ 「コンノ、話す必要ないよ」

「100%のアナタの信用が無いからね!!」

((コンノの弱いところは見たくない))

 

 

 

 

 

八神「言ってろ!!」

ザザッッ

 

 

ボシュッッ

 

 

!!?

 

 

ドムッッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

コンノ 「ユキぃ!!!」

ヴェノム 「ユキ姉!!!」

 

 

 

 

ユキ「あ・・れっ、今・・・・・なんか食らった・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

今宵、なにをも食らったかのユキ

授かりとは言えない 授かりしチカラの種

荒ぶる八竜(オロチ)の一撃

八神の 「その先が知りたい」 の意図が少しずつ把握され

 

 

悠久の過去への悪路

 

 

 

チカラに翻弄されし三人の未来(さき)は

 

 

 

 

世界をセカイへと変える為の道に落とされたゼンマイは またヒト巻き・・・・。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

(war⑪)

 

 

 

 

~月に照らされる眠りの森から~

 

 

眠りの森

 

眠りの森で誰かが呼ぶ 誰を待つ

 

 

ユリカゴの君

 

 

霧深い闇夜に

そっと・・・月の光の口づけ

 

月の光に寄せて ゆらゆら

波のように静かにしずかに

 

 

ゆらゆらと揺られ

 

叶うことなかれ

愛しい人のナミダ 愛しい人の悲しみ

愛しい人の苦悩 ざわめき

 

 

眠りに寄せての おまじない

 

いつかの日々に

忘れるる森の貴女

 

 

月明かりだけが知っている

千と三つの笑顔

千と四つの悲しみ

 

 

愛した数だけ 苦悩を

流したナミダの数だけ 優しさを

 

 

笑顔の数だけ・・・

 

 

 

どうか貴女の数だけ微笑みへ

 

 

鮮やかなる キミの色彩を

 

どうかこの手に・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

八神・八竜