滅びし過去との記憶
対峙し合えるモノたち
行きつく先は 滅びか 再生か
新しきチカラは目覚めるか
覇気を喰らいし 命のチャイムが鳴る時 ~少年~
~ 式を操るモノ、現わりて醒めないチカラ何処(いずこ)へ~
ヴェノム 「コンノ君、しんどい・・。」
コンノ 「大丈夫だ」
「お前の傍にいる」
ユキ 「そうよヴェノム。私たちがそばに居るわ」
コンノ 「八神のヤツが言ってたろ?」
「自分に植え付けられた種を開花させれば良いと」
ユキ 「コンノ、つまり、八神に会わなくても自分に対峙して開花させれば良いってこと?」
コンノ 「分からねえが、言葉的に読み取れば、そういう事だろ?」
コンノ 「八神(アイツ)が言ってたな」
「種は栄養を吸収して葉をつけて、花になると。」
「つまり開花」「その開花の為の栄養が爆発的な精神力。」
「俺はそうとらえる」
ヴェノム 「ボクは、過去に行きたくないよぉ・・・。」
「過去に囚われて帰ってこれなかったら・・・・。」
「はぁはぁはぁ。。。」
「やだよぉ。」
コンノ 「大丈夫だ、俺たちがそばに居る。」
「お前は、俺と違ってパワータイプじゃないから一気に開花させないと・・・・。」
「ヴェノム!」
「死んで俺と離れたくないだろ??」
ヴェノム 「ヴ・・・ヴン。。離れたくないよぉぉぉぉ。。。」
コンノ 「だったら一時の・・・一時だけの離れだ。」
ユキ 「コンノ?何かあるの?一気に種を開花させる何かを。」
コンノ 「あるよ。あるさ。」
「俺の時と同じようにか分からないが、ヴェノムの一番辛い時に自分を重ねてその時にその感情を取り込めれるかだ。」
ユキ 「アンタは、その状態にヴェノムをもっていけるの?」
コンノ 「俺にはチカラもある。」
「いつか言ってたろ?俺の内なる囁きが聴こえると」
「お前や、ヴェノムに無いチカラというか、まぁ、囁き。」
ユキ 「その囁きがヴェノムに何かするの?」
コンノ 「何かするのは俺。」
「誘導するのは、囁き。」
「あぁ”、ごちゃごちゃ言う前にやっちまうぞ!!」
「ヴェノム、こっちへ来い!!」
ヴェノム 「コンノ君、なに?」
コンノ 「御まじないをしてやる。」
「きっと良くなる。ずっと良くなる。」
ヴェノム 「コンノ君、痛いのは嫌だよ。」
「恐いことしないで・・・。」
コンノ 「安心しな。。手、握っててやる」
静かにコンノは目を閉じ。。
一方の手は、ヴェノムに。
もう一方の手で、目を閉じて横になっているヴェノムの額に無造作に何かを書いた。
コンノは一言。
「行ってこいヴェノム。。。」
ヴェノム 「あれは何?」
「羊水炉?」
「いくつもの羊水炉」
そうだ、ボクは・・・・子供のころに施設へ預けられて。
よく思い出せない・・・実験体。。。。。にされ。。。。
あの白服の人たちは、、、、、
研究員A 「おい、コイツは成功例に近いぞ、ちゃんとヒトの形をしているぞ」
「能力(チカラ)も在るみたいだ。」
ボクは、、、、、、造られたカタチ。
でも・・・・
この中は、何だか気持ちが良い。
この羊水炉の中は良い。
研究員 「オラ、出ろ、今日からは訓練だ!!」
ヴェノム 「ヤダヤダヤダ、」
ボクは、造られた チカラ と カタチ のヒト
訓練と羊水炉の毎日。
ヴェノム 「やだーーーーー!!この記憶は、やだーーーー!!」
「コンノ くーーーーーーん」
「え!?」
「今、ボク、コンノ君って。」
「そうだ、今は コンノ君や ユキ姉と居る!!」
「ここは過去なんだ!!」
(ひと光)
ポウッ
「やぁ、子供の時のボク」
「おいで、こんなに悲しいボクなんだ」
「愛してるよ、愛しの過去のボク。」
「愛しの過去のボク、いつか今のボクに繋がるから安心してね。」
「今のボクは、幸せだよ。」
「そして、実験体にさせられてしまった皆」
「敵(かたき)は撃つから!!」
「許されないんだ こんな事!!」
「じゃ、行くね。」
「外(いまの世界)で、待っていてくれる人が居るから」
「ボクは、造られたカタチでも、造られた人間でも良い!!」
「待っていてくれる コンノ君や、ユキ姉がいる」
・・・・・・。。。。・・・・。。。。。
ヴェノム 「・・・こ・・・ん・・・・こんの。。。くん・・・・コンノ君!!」
コンノ 「よぉ~、ご機嫌かぁ??」
「ほら見ろ、ちゃんと手を握っててやったろ??」
ヴェノム 「ヴぇーーん、コンノくーーん、、コンノ君、コンノ君」
「怖かったよーーー、過去が怖かったんじゃなくて、こっちに戻れるか怖かったんだよぉ・・。」
コンノ 「バーカ、戻れないと解ってたら最初から術をかけない、っての」
「んで、水の種は開花したのか?」
ヴェノム 「分かんない。。。」
「だけど、一つだけ解っている事は、前に戦った ヴェノム・ストライクというコンノ君が名前をつけてくれた子の能力」
※ war⑥参照
「それに近いものを身に付けたの。」
コンノ 「あぁ、あの魍魎を司るやつか」
「ヴェノム、お前も魍魎を使えるようになったのか?」
ヴェノム 「う・・ん、、あんまり言いたくないけど、さっきボクが過去に行った時に実験体に失敗して廃棄された子達を意識の中で、魍魎に召喚できるようになったの。」
「そして、魍魎というカタチでも、ボクに着いて来てくれる。って。」
ユキ 「はぁ。。。。何だか疲れたね。」
「でも、ヴェノムの咳が止まってるし、脈拍、血圧、体温、ほぼ正常だし。」
「ひとまず安心というところね」
ヴェノム 「ユキ姉、心配かけてゴメンなさい」
「無事戻ってこれました。」
「ユキ姉、お風呂。入ろ・・・?」
ユキ 「なによ、ヴェノム、お風呂好きになったの??」
(お風呂は何時かの羊水炉ににているから)
コンノ 「ぅおーーい、風呂に入るなら、まず、飯、飯食ってからにしてくれ。」
「腹が空いて戦どころか、風呂でも無え!!」
コンノ 「鍋!!ユキ、鍋にしよ!!」
「ヴェノムも復活したし、鍋!!」
ユキ 「アンタ、ヴェノムは関係なしに鍋が食べたいだけじゃない!!」
ヴェノム 「ボクも鍋が食べたいな」
「ユキ姉の鍋。。」
ユキ 「しょうがないわねぇ」
「まぁいいわよ。」
「たぁーーんと食べさせてあげる」
コンノ と ヴェノム 「わーーーい。。。」
ユキ姉 「ご飯は、人生のお供!!!! ニィ♪♪」
今夜も知ってか知らずかの晩餐
能力者あるところ 能力者あり
何かが蠢(うごめ)き囁く兆しあり
三人の思惑との間で行き交う想い
チカラに慣れてきたヒトの子ら
世界がまた一つセカイに変わりつつあるゼンマイがキリキリと・・・・・。。。
(war⑩)